こんにちは。
院長の生野です。
今回はずっと口の中に入ったままの拡大装置
<固定式拡大装置>のご説明です。
当院で使用している固定式の拡大装置は2つあるのですが
まず「クワドヘリックス」という装置についてです。
当院でも非常によく使っています。
どういう場合に
取り外しできる拡大装置を使って
どういう場合に
固定式の装置を使うのか?
矯正相談でも最もよくある質問なのですが
答えは、
「いろいろなことを考慮して選択します」
です。
ただし大まかに分けると(例外はありますが)
1〜2年生は「床拡大装置(床矯正装置)」
3年生以降は「クワドヘリックス」の場合が多いです。
3年生以降は側方歯(3、4、5番目の歯)が
生え変わりを迎えるので
乳歯が揺れ始めます。
そうなると「床拡大装置(床矯正装置)」の力が
上顎に伝わらなくなるし
歯との適合が悪くなって効率よく拡大できない
と考えているので
「床拡大装置(床矯正装置)」はもう使いません。
それに対して
「クワドヘリックス」は
6才臼歯に装置がついて、
前方部にいくつかしっかりした歯があれば
上顎の拡大が可能なので
3年生以降でよく使います。
「クワドヘリックス」の利点のもう1つは
拡大のスピードが早いことです。
3〜4ヶ月で目標の拡大量4〜6mm拡大をして
プラス3ヶ月、後戻りの防止のためつけておきます。
なので外すのは拡大開始から約6ヶ月後です。
「床拡大装置(床矯正装置)」は4mm拡大するのに6〜7ヶ月かかり
こちらも後戻り防止のためプラス3ヶ月は入れてもらいます。
2番目の歯がもうあと数ヶ月で生えてきてしまう!
とレントゲンで判断した時にも
こちらを選択する可能性が高くなります。
では、実際の症例をご覧ください。
1症例目 7才
左右の2番目の歯の大きさを予想して側方拡大
2症例目 7才
左右の2番目の歯の大きさを予想して側方拡大
2番目の歯が内側に生えてしまったので
後でリンガルアーチで前方に押しました
3症例目 7才
左右の2番目の歯の大きさを予想して側方拡大
その後、2番目の歯が運よく自然に良い位置に
4症例目 7才
左右2番目の歯のスペースを側方拡大して確保
(後で2番目の歯はリンガルアーチで前に押しています)
5症例目 7才
左右2番目の歯のスペースを側方拡大して確保
(後で2番目の歯はリンガルアーチで前に押しています)
6症例目 10才
左右2番目の歯のスペースを側方拡大して確保(ヘッドギア併用)
自然に2番目の歯は良い位置に移動し
さらに「トレーナー」で前歯を配列(約6ヶ月)
7症例目 8才
左右2番目の歯のスペースを側方拡大して確保
後で2番目の歯はリンガルアーチで前に押して
さらに「トレーナー」で前歯を配列(約6ヶ月)
8症例目 10才
前歯4本が並ぶスペースを側方拡大で確保
(上の前歯4本のブラケットとヘッドギア併用)
9症例目 10才
前歯4本が並ぶスペースを側方拡大で確保
(上の前歯4本のブラケットとヘッドギア併用)
「ヘッドギア」や「前歯のブラケット」を併用できるのも
「クワドヘリックス」の利点です。
「床矯正装置(床矯正装置)」では併用できません。
上下の噛み合わせを整えるのが矯正治療の真の目的なので
上顎の写真だけ並べても矯正治療の説明としては不十分なのですが
今回は、
「クワドヘリックス」で
3〜4ヶ月で4〜6mm拡大できます。
という部分をクローズアップさせていただきました。
下顎はどうなるのか?どうするのか?
は矯正相談の時にご説明しますね。
まずはお気軽にご相談にいらして下さい。
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