こんにちは。
院長の生野です。
先日、札幌市中央区の1歳6ヶ月児健診を担当してきました。(3回目)
その時、「指しゃぶり」について心配されているお母さんがいらっしゃいました。
「歯並びに影響するんじゃないかと思って心配で…」
とお母さん。
「3歳になるまではこのまま様子を見て大丈夫ですよ」
「それ以降で治らないようでしたら、指しゃぶりをやめさせる必要があるかもしれません」
と私。
まず、「指しゃぶりが歯並びに影響する」ことを知っているお母さん。
素晴らしいですね!
健康診断という場なので、
時間の都合上、
あまり詳しくはお話できませんでしたので
ここで少しご説明します。
『指しゃぶりへの対応』
ということで
平成18年1月13日
小児歯科の保健検討委員会が
専門家の考え方や文献的考察を基にして、
小児の指しゃぶりは何歳頃まで見守ってよいのか、
何歳頃にどのような状態であったら、
どのような積極的支援を行ったらよいのかなどの
現時点(といっても10年前ですけど…)
における統一的見解をまとめています。
1)乳児期:
生後12か月頃までの指しゃぶりは乳児の発達過程における生理的な行為なので、
そのまま経過をみてよい。
2)幼児期前半(1~2歳まで):
この時期は遊びが広がるので、昼間の指しゃぶりは減少する。
退屈なときや眠いときに見られるに過ぎない。
したがって、この時期はあまり神経質にならずに子どもの生活全体を温かく見守る。
3)ただし、親が指しゃぶりを非常に気にしている、一日中頻繁にしている、
吸い方が強いために指ダコができている場合は4~5歳になって習慣化しないために
親子に対して小児科医や小児歯科医、臨床心理士などによる対応が必要である。
4)幼児期後半(3歳~就学前まで):
この時期になるとすでに習慣化した指しゃぶりでも、保育園、幼稚園で
子ども同志の遊びなど社会性が発達するにつれて自然に減少することが多い。
しかし、なお頻繁な指しゃぶりが続く場合は小児科医、小児歯科医、
および臨床心理士による積極的な対応が必要である。
5)小学校入学後:
この時期になると指しゃぶりは殆ど消失する。
この時期になっても固執している子、あるいは止めたくても止められない子の場合、
小児科医、小児歯科医および臨床心理士の連携による積極的対応を行う。
いかがだったでしょうか?
わかりやすくまとまっていますね。
指しゃぶりに対する専門領域ごとの意見が異なるため
(医師、歯科医師、臨床心理士の間で意見が違ったということ)
指しゃぶりを気にしている保護者に不必要な不安を与え、
乳幼児健診や育児相談の場において混乱が生じていた
という状況をより良くしていくため
このように他職種の先生が集まって統一見解をまとめています。
違う意見の先生方も世の中にはたくさんいるのだとは思いますが…
もっと詳しく知りたい方は
日本小児歯科学会ホームページをご覧ください。
(http://www.jspd.or.jp/contents/main/proposal/index03_05.html)
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