第2回目は「急速拡大装置」
こんな装置です。名前のとおり、「急速に」歯列の拡大をするために使います。
・とにかく上顎の幅が小さいので、8mmくらいは拡大したい。
・下顎の幅より上顎の幅が狭く、下顎の位置が左右どちらかにずれている。または、安定しない。
といった場合に使うことが多いです。
どのくらい急速かというと
前回ご紹介した「床拡大装置(床矯正装置)」は10ヶ月だの1年だのと書きましたが、
こちらの「急速拡大装置」は、わずか20日間で歯列の横幅を8.0mmほど拡大します。
歯がそんなに早く動くわけではありません。
何が起こっているかというと
上顎の骨が左右に分かれて拡がっていくのです。
(もともと上顎の骨は左右の骨が結合部でくっついています、下図参照)
なので、その左右の骨の間に新しく骨ができるのを3ヶ月〜6ヶ月待たなければいけません。
歯列の横幅の拡大は1ヶ月以内で完了しますが、元に戻らないようにじっと待つ必要があるのです。
この装置のご提案をすると多くの患者さんの親御さんが心配そうに
「そんなことして痛くないんですか??」
とご質問をされます。
大人にこの装置を使うとなればそれはそれは痛いと思います。
大人になると左右の骨が完全に結合してしまって、そもそも左右に分かれないのです。
なので外科的な方法を用いない限り、ただの拷問です、笑
でも、実際に装置を使用した子供の感想はというと、
「1日目はなんか痛かったけど、2日目からは痛くなかった!」
と言うことがほとんどです。
子供はすごいですね!
この「急速拡大装置」の特徴は
メリット
・その名の通り急速に拡大できる。
・骨格ごと拡大できる。
デメリット
・装置がなんともイカツイ感じである。
・取り外しできない装置なので、しっかり歯磨きできていないと虫歯のリスクになり得る。
さらに、実は今紹介している拡大装置たちは
歯並び以外のメリットもあると考えられています。
歯列の狭い子は鼻腔も狭くなり、全身になんらかの障害を持つ可能性も高くなります。
上顎を拡げることで鼻腔が拡がり、気道が通りやすくなる可能性があります!
さて、次回はもう一つの拡大装置のご紹介です。
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