お知らせ

2017.09.20

フッ素のこと


こんにちは。
院長の生野です。

当院では「フッ素塗布」を勧めております。

矯正治療に通院中の子供には3ヶ月に1度程度「フッ素塗布」をしますし、
小児予防歯科で定期的に通院する子にも「フッ素塗布」を勧めています。

虫歯のリスクの高い子には「フッ素配合ジェル」の使用も勧めます。

札幌市の1歳6ヶ月健診の場でも「フッ素塗布」を勧めます。
札幌歯科医師会がフッ素塗布を推奨しているためです。

そんな中、
ある一定の割合で、
フッ素の安全性に疑問を抱いている保護者にお会いします。

確かにネットで「フッ素」「危険性」と検索すると
たくさんのフッ化物利用の反対意見が出てきます。

フッ素の副作用として私が学生の時に勉強したのは

・歯のフッ素症(6ヶ月から5歳までの歯の発生期にフッ化物を過剰摂取すると生じます)
・骨硬化症(フッ素濃度が8ppmを超える飲料水を20年以上使用している人口集団に、
骨フッ素症が見られると言われています)
・フッ素の急性中毒

くらいでしたが、最近は

・IQの低下

なんてことも検索結果としてでてきてしまいます。

一番多く反対意見があると思われるものが
「水道水のフロリデーション」に関するものです。

ただこれに関しては、
FDI(国際歯科連盟)が2014年9月に

・う蝕の予防に推奨されるフッ化物の濃度は、人間の全身の健康に悪影響を与えないことが、
科学的研究とこれまでの論評から判明している。
・う蝕予防における水道水フロリデーションがもたらす公衆衛生上の利益は、
ごく軽度および軽度の歯のフッ素症の可能性に比べてはるかに勝る。

との見解を表明しているため、それを信じるのが妥当かと思います。

詳しくはこちらのPDFをご参照下さい。
フッ化物利用を進めるために―最近の世界と日本の動き―
(www.nponitif.jp/2015fluoridecurrentinformationintheworld.pdf)

ちなみにその中で先ほどのIQ低下の件は、
ハーバード大学在籍研究者が
「フッ化物は小児の IQ を低下させるのではないか」
との論文を発表したが、
この領域のこれまでの研究成果から
「フッ化物が知能に影響を及ぼすという科学的根拠はない」
とされています。

さて、
では当院で使っている「フッ素塗布剤」と「フッ素配合ジェル」の安全性はいかに?

ということで計算してみました(急性中毒に関して)。

(財)日本中毒症情報センターは
人のフッ化物経口投与中毒量を次のようにまとめています。

中毒量:約5~10mg/kg
消化器症状は約3~5mg/kgで生ずる。

と。

なのでここからは3mg/kgを危険として話を進めます。

当院で使用している「フッ素塗布剤」はこちら
IMG_4454

9000ppm
ということで
1gあたり9mgのフッ素が含まれます。

使用する量は多くても2g以下=フッ素は18mg以下。
フッ素塗布を行うのは1歳ごろからなので、1歳の赤ちゃんの体重は約9kg。
急性中毒には27mg以上でなる可能性がある。

意外と危険に思えますか?
だから、歯科医院でしかできないんですね。
実際、2gも使いません。

次は自宅での使用をお勧めしている「フッ素配合ジェル」

checkup_g_pht

6歳までの「バナナ」は500ppm

このチューブ1本が60gなので30mgのフッ素が含まれていいます。
先ほど、9kgの1歳児の赤ちゃんが27mg以上のフッ素で急性症状になると計算しました。

チューブ1本飲むと危険です!

が、

そういうことはまずありえないので、結構安全ですよね!

ちなみに「グレープ」「ピーチ」「レモンティー」は950ppm

チューブ1本60gに含まれるフッ素は57mg。
6歳児は20kg程度なので急性中毒になるのは60mgのフッ素を摂取した時。

こちらもチューブ1本飲むと危険です!
想像するだけで結構しんどいですが、笑

フッ素に関してご質問があればお気軽にどうぞ。
なんかフッ素は信じられん!という方には無理には勧めません、笑

札幌 桑園 矯正歯科egao 笑顔